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「第6回 若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール 韓国大会」 独占現地レポート
2009/6/26更新
現在、韓国で開催中の「第6回 若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」の現地からの独占ライブ・レポートをお届けします。レポーターは、「ショパン」誌上でお馴染みの音楽ライターの角田珠実さん。 「倉敷から翔び立つ未来の巨匠たち(2004年・ショパン刊)」(「第5回 若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」(倉敷市で開催)大会取材記録) の著書をもつ彼女は、国際コンクール取材のオーソリティとしても知られています。 そんな彼女の臨場感溢れる筆致をお楽しみください。
レポートは、優勝者のガラ・コンサートが開かれる28日までの毎日掲載予定です。
(本大会の総合レポートは、後日「ショパン」誌上に掲載予定です)


        




コンクール・トリビア 角田珠実の取材メモより   独占現地レポート:ファイナル

《入賞者ガラコンサートが開かれるようなのですが…》 ― 6月28日(日)

今日は昨日の優勝者の演奏に続き入賞者の演奏が聴けるようなのですが、帰りの飛行機に乗れなくなるので、残念ながらガラコンサートへは行けません。この報告も今日が最後になりますので、取材で得た『ショパン9月号』には書ききれないトリビアのいくつかをお話しすることにします。

ヴァイオリンの優勝者シレーナさんは国籍はアメリカなのですが、両親は台湾の方です。とても愛くるしい子で、嵐の松本潤さんの妹ですと紹介されたら、疑わずに信じてしまいそうなくらい似ています。演奏スタイルにも華があって、将来が楽しみです。私は彼女の演奏を通じて、ラロのスペイン交響曲が大好きになりました。

今回コンテスタントの中で一番人気があったのは上野通明くんかもしれません。彼はとてもよく「さらう」と評判で、聴きに来た人やボランティアスタッフからも「一緒に写真とって~」と引っ張りだこでした。

そしてこの二人にはもうひとつ共通点が…!二人とも3人きょうだいでして、シレーナは姉(ピアノ)、本人(ヴァイオリン)、弟(チェロ)、上野くんは姉(ピアノ)、姉(ヴァイオリン)、本人(チェロ)です。どちらもきょうだいでトリオが組めますね。

今回で「第6回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」現地レポートを終わります。
読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。引き続きショパン9月号の記事を読んでいただけたら嬉しいです。

角田珠実



渡邉康雄先生(「くらしき作陽大学」音楽学部長)によるピアノ部門入賞者講評・・・そして、優勝者記念コンサート・レポート   独占現地レポート:第四弾

《本選会を終えて 表彰式・優勝者記念コンサート当日》 ― 6月27日(土)

昨日コンクールが終わったので、さっそく審査員の渡邉康雄先生を訪ね、ピアノ部門の入賞者について講評をしていただきました。
優勝したナンソン・ファン(Nansong HUANG)くんは一次審査の時から際立っており、「この子は本命かな」と思ったそうです。その思いは二次を聴いてさらに間違いないと確信したということです。
2位のユーチョン・ウー(Yu Chong WU)くんは二次でショパンのバラード4番を弾いたのですが、聴いていくうちに「やはり13歳の男の子にこの曲は早い」、そして決勝で弾いた同じくショパンのピアノ協奏曲第2番は第一楽章が物足りないと感じられたそうです。
渡邉先生の講評は『ショパン9月号』(8月発売)で詳しくご報告いたします。

そして午後5時からは表彰式と優勝者記念コンサートが開かれ、もう一度優勝者の演奏を聴こうとたくさんの人が訪れました。チェロの上野通明くんはラロのチェロ協奏曲を、ヴァイオリンのシレーナ・ファン(Sirena HUANG)さんも同じくラロのスペイン交響曲、最後はピアノのナンソン・ファンくんです。

上野くんの演奏は自然に耳に入ってくる心地よい響きでした。演奏する上野くん自身が幸せそうなので、聴いている私たちも幸せな気分になれました。シレーナさんは曲と一体化していて、すでにシレーナワールドが出来上がっていました。 それから、ナンソンくんは凄いの一言です。今日のチャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番も完璧でした。何度も言うようですが、本当に15歳なのか、あの落ち着いた演奏振りはとても15歳とは思えないのです。演奏後拍手が鳴り止まずアンコールに応えてチャイコフスキーの瞑想(メディテイション)を弾いてくれました。アンコールにチャイコフスキーを持ってくるなど、ニクイです。

今回の優勝者は、3人共とても楽しそうに演奏するという共通点がありました。もしかしたら優勝する秘訣はそれかもしれませんね。

角田珠実



ヴァイオリン部門 入賞者決定! アジア勢を押さえアメリカ人コンテスタントに栄冠・・・チェロ・ピアノ部門優勝者(上野通明くん、ナンソン ファンくん)の独占コメントも入手   独占現地レポート:第三弾 

《3部門の優勝者すべて決まりました》 ― 6月26日(金)

今日はヴァイオリンの決勝後半が行われ、優勝者が決まりました。
6人の決勝進出者すべてを聞いた時点で、シレーナ・ファンさん(15歳)と予想。結果を待つ間に早々にインタビューを済ませました。そして結果は以下のとおりです。

1位シレーナ ファン(Sirena HUANG・アメリカ)、2位ソーヒョン イム(Seohyun LIM・韓国 )、3位は二人ユー ローズセン(Jou Rose HSIEN・台湾)とゲ ヒ キム(Gye Hee KIM・韓国)、4位インモ ヤン(InmoYANG・韓国)、5位キ ズー(Ke ZHU・中国)。 シレーナさんが弾いたのはラロのスペイン交響曲でしたが、際立ったぐいぐいと惹き込まれる演奏でした。彼女自身が楽しんで弾いている様子が私たち聴衆を惹きつけるのだと思います。

今日インタビューを行ったチェロの上野通明くんとピアノのナンソン ファン(NansongHUANG・中国)くん。
上野くんは4歳のときにヨーヨーマの演奏を見て「かっこいい」と思ったのがチェロを始めるきっかけだそうです。
ただ実際に始めたのはそれから1年経ってからです。その辺のいきさつなど詳しくは『ショパン』の9月号に書く予定です。

ナンソンくんはコンクールで演奏するにあたり、「何よりも演奏を楽しむことが一番だ」と思って弾いたそうです。

角田珠実


チェロ部門で日本人初の第1位に輝いた上野通明くん


ピアノの部門第一位 ナンソン ファン(NansongHUANG・中国)くん





ピアノ部門 入賞者決定! アジア勢圧勝 ラン・ランに続く逸材登場の予感  独占現地レポート:第二弾

《ハートをわしづかみ、二人の若き中国人ピアニスト》 ― 6月25日(木)

昨夜は上野くんの優勝に舞い上がって2位以下の結果をお伝えせず、失礼しました。
チェロ部門、第1位以下の入賞者は、下記の通り。

2位Sang Eun LEE (韓国)、3位は二人Taeguk MUN (韓国)とSae Bom BYUN (韓国)、4位も二人Youbg-In NA (韓国)とSi Hao HE(中国)です。

そして、今日のハイライトはなんと言ってもピアノの決勝の結果発表です。
1位は一番最後に弾いた中国のHuangNansong、堂々とした風格からはとても15歳には見えません!
このコンクールにふさわしくチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番を演奏しました。とても完成度の高い、すぐにでもコンサート活動を始めてもいいのではないかと思える弾きっぷりです。その気持ちが通じたのか、7月6日に大阪でコンサートをすると教えてくれました。

2位は二人、Su Yeon KIM(韓国)とYu Chong WU(中国)、3位Jung Eun KIM(韓国)、4位Dmitry MAYBORODA(ロシア)、5位Zuhao LIU(中国)という結果です。ショパンのピアノ協奏曲2番を弾いた2位のYu Chong Wu、13歳でこんなにも情感たっぷりに弾けるものかと惹きこまれる演奏でした。

とにかく今日は二人の若き中国人ピアニストに釘付けでした。明日はチェロの上野くん、ピアノのHuangNansongくんのインタビューを予定しています。

角田珠実




チェロ部門で13歳の日本人コンテスタント・上野通明くん優勝!  独占現地レポート:第一弾

《決勝ラウンドが始まりました!》 ― 2009年6月24日(水)

6月17日から韓国の水原(スウォン)で、「第6回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」が始まっています。応募数はピアノ93名、ヴァイオリン55名、チェロ72名、そのうち予選を通過し出場を決めたのはそれぞれ46名、27名、39名でした。今回は新型インフルエンザの影響、さらに北朝鮮問題などがあって出場を見送る人が何人か出たことは残念でしたが、全体的に見て出場者のレベルは非常に高いと、審査員のお一人渡邉康雄先生(モスクワ音楽院特別演奏コースを運営する「くらしき作陽大学」音楽学部長)は話しています。

そして昨日から決勝ラウンドが始まったわけですが、今日チェロの優勝者が決まりました。
なんと13歳の日本人、上野通明くんです。

韓国滞在中にインタビューを試みるつもりですので、どうぞお楽しみに!
これから優勝者のガラ・コンサートが開かれる28日までの毎日、スウォンからコンクール情報をお届けします。

角田珠実




〇レポーター・プロフィール
角田珠実(つのだ たまみ)
広島大学教育学部卒。クラシック音楽関係のフリーライター。主にピアノ音楽誌『ショパン』で健筆を振るう。2004年に倉敷市で開催された「第5回 若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」の模様をまとめた「倉敷から翔び立つ未来の巨匠たち(2004年、ショパン刊)」などの著書をもつ国際コンクール取材のオーソリティ。

〇コンクール概要
「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」
「チャイコフスキー国際コンクール」の姉妹コンクールとして創設。
上原彩子(「第2回・仙台大会」(第二位)・「第12回チャイコフスキー国際コンクール」:ピアノ部門日本人初、かつ女性として世界初優勝)、ラン・ラン(「第2回・仙台大会〈第一位〉」らを輩出した、ジュニア・コンクール(16歳以下対象)の最高峰。次代のクラシック界を担う若手の登竜門として知られている。

審査部門はピアノ、ヴァイオリン、チェロ。
審査員は、「チャイコフスキー国際コンクール」の入賞者などから構成され、最終審査では、オーケストラとのコンチェルト演奏が義務づけられている。

才能ある世界の若い音楽家たちに、より広くより多くのチャンスを与えるコンクールを目指して、「開催地を固定せず、世界の都市を巡って開催する」という“ワールド・カップ・スタイル”の開催方針を採用していることもユニークな特徴のひとつ。

これまで、「第1回・モスクワ大会」(1992年)を皮切りに、「第2回・仙台」(1995年)、「第3回・ペテルブルグ」(1997年)、「第4回・アモイ」(2002年)、「第5回・倉敷」(2004年)で開催。

毎回、世界各国から500名を超えるコンテスタントがエントリーし、厳正な書類審査等を経たおよそ150名の才能ある若き音楽家たちが本選に挑む。
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